斉藤紳士さんが、
自身の読書体験に基づき、
安部公房の魅力を
独自の視点で
ランキング形式(ベスト5)にして
紹介している動画です。
安部公房特有の
「不条理」
「変形」
「翻弄される心地よさ」
といったキーワードを中心に解説されています。
斉藤紳士が選ぶ!安部公房ベスト5
第5位:『デンドロカカリヤ』(短編)
あらすじ
「コモン君」という人物が、
植物の「デンドロカカリヤ」に
変身(変形)してしまうお話。
魅力
安部公房が得意とする「変形譚」。
待ち合わせに来ない相手や、
代わりに現れた見知らぬ人物に翻弄される
「居心地の悪さ」と「焦燥感」が、
安部作品を読む醍醐味として語られています。
第4位:『壁 ― S・カルマ氏の犯罪』
あらすじ
芥川賞受賞作。
ある朝、
自分の名前(名刺)を失ってしまった男の物語。
魅力
「自分を証明するもの」
を失うアイデンティティの喪失がテーマ。
シュールで不条理な世界を
圧倒的な文章力で描き出しており、
知識がなくとも楽しめる傑作です。
第3位:『箱男』
あらすじ
段ボール箱を被り、
その中から世界を覗きながら生活する
「箱男」たちの物語。
魅力
斉藤さん自身が
精神的に辛かった時期に、
自分を重ね合わせて読んだ
思い出の作品。
「引きこもり」や
「ニート」といった言葉が普及する前に、
その先見性を描いていた点も
評価されています。
第2位:『第四間氷期』
あらすじ
1959年刊のSF長編。
未来を予言する
「予言機械」
を開発した博士が、
ある男の未来を予測しようとするが……。
魅力
現在と未来の関係性を
「ねじ曲げる」ような面白さ。
人間が水棲動物へ進化(退化)する
という奇想天外な設定が、
読者の空想力を刺激します。
第1位:『密会』
あらすじ
ある朝、
救急車が突然やってきて、
健康な妻を連れ去ってしまう。
夫は巨大な迷宮病院に乗り込むが、
そこは高度な監視社会だった。
魅力
斉藤さんが
20年間1位に据え続けている作品。
巨大なシステムや
監視社会という壮大なテーマを含みつつ、
根底にあるのは
「人間の嫉妬」
という非常にシンプルな感情であると分析。
他人の方の膝下を装着した馬など、
奇怪なキャラクターが登場する
カオスな世界観が圧巻です。
安部公房を読むポイント
斉藤さんは、
安部公房の作品を読む際、
論理的な説明を求めすぎず、
「全てを受け入れながら、
その不条理な世界に没入すること」
を推奨しています。
そうすることで、
日常では味わえない
深い感覚的な場所に連れて行かれるような
体験ができるのが
安部作品の最大の魅力であると結んでいます。