樋口一葉(1872〜1896)
東京生まれ。
本名・奈津。
小学高等科第四級を首席で卒業後、退学。
歌塾「萩の舎」に入門し、古典の教養を積む。
同門の三宅花圃の「藪の鶯」に刺激を受け、
二十歳の時に作家を志す。
大衆小説家・半井桃水に教えを請い、
その技法的手法に学んで処女作「闇桜」を発表。
1895年に
「ゆく雲」「にごりえ」「十三夜」を次々に発表。
同年に発表された「たけくらべ」は
評論家の激賞を受けるが、
肺結核のため二十四歳の若さで死去した。
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樋口一葉の名作
『たけくらべ』
のあらすじと背景について、
動画の内容を要約してご紹介します。
舞台と背景
物語の舞台は、
東京の吉原遊郭界隈です。
この地域は
遊郭に関連する仕事を持つ人々が多く、
他の土地とは異なる
独特の風俗や文化が根付いていました。
子供たちもまた、
大人の真似をして着物を着崩したり、
大人びた言葉を使ったりするなど、
少しませたところがありました。
子供たちの二大勢力
吉原周辺の子供たちは、
いくつかの「組み」に分かれて
対立していました。
横丁組
リーダーは16歳の長吉(ちょうきち)。
鳶の頭の息子で、
父の代わりを務めるようになってから
気性が荒くなり、
乱暴者として知られていました。
表町組
リーダーは長吉より
3つ年下の正太(しょうた)。
金貸し田中屋の息子で、
愛嬌があり人気のある少年でした。
横丁組は
龍華寺界隈の子供たちの集まりであり、
表町組と対立していました。
主人公たちの葛藤
物語の中心には、
遊女を姉に持つ美しい少女美登利(みどり)と、
寺の息子である内向的な少年信如(しんにょ)の
淡い恋心と葛藤が描かれています。
美登利
陽気で勝ち気な少女ですが、
やがて自分も姉のように
遊郭の世界に入らなければならない運命を悟り、
次第に沈んでいきます。
信如
長吉の横丁組に
加勢を頼まれることもありますが、
真面目で内向的な性格です。
美登利に惹かれつつも、
素直になれない
思春期特有の複雑な感情を抱いています。
祭りの夜の衝突
千束神社のお祭りの日、
長吉率いる横丁組は
正太を負かしてやろうと企みます。
私立学校に通う長吉は、
公立学校に通い
大人たちが後ろ盾になっている正太を
苦々しく思っており、
祭りの熱気の中で
子供たちの対立は激化していきます。
結論
『たけくらべ』は、
吉原という特殊な環境で育つ子供たちが、
「子供時代」から
逃れられない
「大人の運命」へと足を踏み入れていく、
刹那的で美しい成長の記録を描いた作品です。
思春期の揺れ動く感情と、
避けられない将来への予感が、
情緒豊かな筆致で綴られています。