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ウィリアム・フォークナーの傑作小説
『響きと怒り』(1929年刊)について、
その複雑な構成や登場人物、
背景を解説している動画です。
作品の背景と構成
舞台
アメリカ南部ミシシッピ州の
架空の街ジェファソン。
かつての名家でありながら
没落しつつあるコンプソン家が舞台です。
4部構成
4つの章で構成され、
それぞれ異なる人物の視点から語られます。
各章のあらすじと語り手
第1部:ベンジーの視点
語り手は知的障害を持つ末弟ベンジー。
自ら会話はできませんが、
彼の「意識の流れ」を通じて物語が語られます。
過去と現在が激しくフラッシュバックし、
時系列が非常に分かりづらいのが特徴です。
彼は愛する姉キャディの
「体の匂い」に敏感で、
彼女の変貌を本能的に察知します。
第2部:クエンティンの視点
語り手は長男クエンティン。
舞台はハーバード大学のあるボストン。
妹キャディの堕落や
一家の没落に苦悩しています。
彼は自らの命を絶つ決意をしており、
一族の歴史の終焉を象徴するように
懐中時計を壊す場面が印象的です。
第3部:ジェイソンの視点
語り手は三男ジェイソン。
非常に俗物的な人物として描かれ、
家族や黒人の召使たちに
不満を漏らしながら生活を支えています。
比較的平易な文体で、
彼の歪んだ正義感や金への執着が綴られます。
第4部:客観的な視点
黒人の召使ディルジーや
ジェイソンを視点人物とし、
三人称で語られます。
黒人たちが教会へ行く場面や、
キャディの娘(クエンティン)の失踪などが描かれます。
作品の特徴と評価
叙述方法
「意識の流れ」を用いた
モダニズム文学の極致とされ、
20世紀文学において極めて重要な作品です。
影響
ガルシア=マルケス、
トニ・モリスン、
中上健次など、
後の世界文学に多大な影響を与えました。
ノーベル賞
フォークナーはこの作品を含む功績により、
1949年にノーベル文学賞を受賞しています。
印象的な引用
父ジェイソンの言葉
「人間には
それほど恐ろしいことは
何一つ出来やしないのだ」
絶望すらも
時が経てば忘れてしまうという
虚無的な洞察です。
結論
『響きと怒り』は、
一族の没落を
バラバラな視点から繋ぎ合わせることで、
「歴史、時間、そして失われた愛への執着」
を壮大なスケールで描き出した、
読むたびに発見がある
難解かつ至高の文学作品です。