村田沙耶香さんの小説
『コンビニ人間』を題材に、
現代社会における
「普通」という概念の歪さや、
同調圧力について
解説している動画です。
作品のあらすじと主人公・恵子の性質
異質な子供時代
主人公の古倉恵子は、
幼少期から合理性を追求しすぎるあまり、
周囲から「奇妙な子」と思われていました。
例えば、
公園で死んだ小鳥を見て
「美味しそうだから焼いて食べよう」
と言ったり、
喧嘩を止めるために
スコップで相手を殴ったりしてしまいます。
コンビニの部品
36歳になった彼女は、
大学時代から18年間
同じコンビニでアルバイトを続けています。
マニュアル通りに動けば
「世界の正常な部品」
になれる
コンビニという空間だけが、
彼女にとって唯一
「普通」でいられる場所でした。
社会からの干渉
30代後半で独身、
アルバイトという彼女の状況は、
世間一般の
「普通」(正社員、結婚、出産)
からは逸脱しており、
友人や親族から
不気味なものとして干渉され続けます。
「普通」という名のマニュアル
縄文時代からの定型
作中の登場人物は、
現代社会を「大きな村社会」と呼び、
男は働き、
女は家庭を持つといった
「普通」の形は縄文時代から続く
マニュアル(定型)に過ぎないと指摘します。
村の奴隷
村(社会)の役に立たない人間、
つまりマニュアルに従えない人間は排除されたり、
無理やり矯正させられたりする
「村社会」の構造が今も続いています。
「普通」の人の残酷さと同調圧力
裁くのが趣味
普通の人たちは、
自分たちの生き方を肯定するために、
自分たちと違う人間を
「可哀想な人」や
「直すべき異物」として裁こうとします。
理由なき常識
「結婚はおめでたい」
「シャンプーは毎日すべき」
といった常識には
明確な合理性がない場合が多いですが、
普通の人は
そこに疑問を持たずに従える
「特殊な能力」を持った人たちだと
言い換えることもできます。
現代の生きづらさ
ネットによる巨大な村
かつては
コミュニティごとに異なる
「普通」がありましたが、
現代はネットで繋がったことで
「日本全体が1つの大きな村」になり、
許容される
「普通」の範囲が
極めて狭くなっています。
多様性の嘘
多様性が叫ばれる一方で、
実際には
村の役に立たない多様性は排除される、
より強力な同調圧力が働いているのが現実です。
結論
『コンビニ人間』は、
私たちが当たり前に使っている
「普通」という言葉が、
実はいかに恣意的で
残酷なマニュアルであるかを
突きつける物語です。
「普通」とは正しい姿ではなく、
単に
「理由を問わずにその場の空気に身を任せられる状態」
を指しているのかもしれません。