スタンダールの名作
『赤と黒』について、
そのあらすじ、時代背景、
そして実在のモデルとなった事件との違いから、
作品の核心を解説している動画です。
1 激動の時代背景:王政復古のフランス
物語の舞台は、
ナポレオンが失脚し、
再びブルボン王朝が実権を握った
「王政復古」の時代です。
閉ざされた出世の道
貴族が特権を享受し、
庶民が実力で成り上がることが
極めて困難な社会でした。
「黒」の道
主人公ジュリアン・ソレルは、
軍人(赤)として出世したかったものの、
時代の変化により、
唯一の出世の道として
聖職者(黒)の道を選びます。
2 あらすじ:野心と恋愛の果て
武器は「美貌」と「記憶力」
製材屋の息子であるジュリアンは、
端正な容姿と
聖書を丸暗記するほどの
驚異的な記憶力を武器に、
上流階級へと入り込みます。
2人の女性との愛憎
町長の妻レナール夫人との不倫関係。
パリの侯爵令嬢マチルドとの、
身分を超えた結婚の約束。
破滅への転落
出世の絶頂にいたジュリアンですが、
レナール夫人からの告発状によって
結婚が破談となり、
激昂して彼女を銃撃。
裁判にかけられることになります。
3 作品の核心:実在の事件との決定的な違い
本作には
「アントワーヌ・ベルテ事件」
という実際のモデルが存在しますが、
結末が大きく異なります。
モデルの男
裁判で必死に自己弁護をし、
命乞いをしたと言われています。
ジュリアン・ソレル
裁判で一切の弁護を拒否し、
自ら死刑を望みました。
スタンダイールの思想
この違いこそが重要で、
腐敗した社会に対して
自らの信念を貫き、
魂を売らずに死んでいくジュリアンの姿に、
作者は自身の共和主義的な思想を
重ねたとされています。
恋愛小説としての面白さはもちろん、
不平等な社会に対して
個人がどうあるべきかを問う、
非常に深いメッセージ性を持った
作品として紹介されています。