2016年に
第155回芥川賞を受賞した
村田沙耶香さんの、
受賞記念インタビュー動画です。
作品『コンビニ人間』の誕生秘話や、
自身の作家としてのスタイルについて語られています。
1. 『コンビニ人間』誕生のきっかけ
当初、
村田さんにとって
コンビニは「聖域」であり、
あまりにも愛着が強すぎるため、
小説の舞台にするのは難しいと考えていました。
偶然の着想
書いては捨てる試行錯誤の中で、
ふと「コンビニを舞台にしよう」と思いついたところ、
物語がするすると進み始めたといいます。
新境地への手応え
これまでの
「奇抜な設定」や
「ヒリヒリしたリアル」とは異なり、
ユーモラスな要素を含んだ
新しい手触りの作品になったと感じていました。
2. キャラクター造形と「私」
村田さんは
自分をモデルに
小説を書くタイプではなく、
身長や好物など、
自分とは全く異なる設定を
一から作り上げることで
キャラクターを動かしていきます。
分身としての主人公
主人公の古倉恵子は
村田さん自身ではありませんが、
村田さんが世界に対して感じていた違和感や、
コンビニから受け取っていた感覚が
デフォルメされて埋め込まれています。
「鏡」のような存在
悪いことをしているわけではないのに
「なぜ恋愛しないのか」
「なぜバイトなのか」
と問われ続ける主人公。
彼女は、
その無意識の干渉を問い返す
「鏡」のような存在として描かれています。
3. 読者へのメッセージ
気合を入れて読むというよりは、
「うっかり」
手にとって読んでほしいと語っています。
不思議な生き物との出会い
コンビニという身近な場所を舞台にした
「変てこな」物語を通じて、
偶然不思議な生き物に出会うような
感覚を味わってほしいという願いが込められています。